ブログ
ホーム > ブログ > SNSから集客してネットショップで商品・サービスが売れるのか?

SNSから集客してネットショップで商品・サービスが売れるのか?

戦略
[ 2017年07月19日 投稿者:米田 浩二 ]

sns
最近、SNSの集客の話題がネットショップさんから耳にする事が多くなりました。
SNSの集客自体を否定するつもりは無いのですが、効果については疑問を感じています。

SNSの集客の話題って10年位前から定期的に盛り上がるんですよね。
その頃はいいねボタンやツイートボタンを買い物カゴ周辺に付けてほしいという要望が凄かったのを覚えています。
※その頃、ショッピングカートのシステム(ASP)の販売や導入支援をしておりました。

当時は買うタイミングでツイートしたり良いねボタンを押すかな~と疑問に感じていましたし、お客様(ネットショップ)にもその話をしていましたが、誰かがアメリカでの成功事例を持ち出して、ネットショップ業界全体で早くやったもの勝ち的な空気になっていました。そう言えば、当時の私の上司も熱心なSNS信者でしたね笑

冷静に考えれば分かることなんですが

1、商品をネットショップで購入する。

2、商品が届く

3、使用する

大雑把に言うとこういう流れなんですが、SNSで投稿するタイミングって2か3なんですよね。3のほうが多いと思います。
という事は、SNSで自慢したい!伝えたい!言いたい!って思った時にスマホやPCで簡単に情報を発信できるのに、わざわざ商品ページまで戻ってきてそこのいいねボタンやツイートボタンを押して投稿します?
殆どの人はそんな面倒なことしませんよね。

じゃあレビューは書いている人多いじゃないか?
と言われそうですが、レビューも集めるのもものすごく大変で、ポイントや企画、送料無料とかの特典をつけたりして、頑張らないとホントに集まらないんですよ。

という訳で、SNSからの集客って頑張らなくても良いと考えていますが、こういう話をしても

「やってみないと分からない」
「成功している事例もある」
「うまくいかないのはすぐに諦めているから」
と言うような事を言われたりします。まあその通りなんで、自分の考えが本当に合っているのかどうかも含めて検証してみることにしました。

 

 

SNSからの集客で商品は売れる!

いきなり結論から言いますが、SNSからの集客で商品は売れる!
ただし、そんなに簡単じゃないという事が見えてきました。

まずはネットに沢山転がっているSNSに関するアンケート調査を探して、その中でネットショッピングについて書かれているものをピックアップしました。

1、三菱UFJリサーチ&コンサルティング「SNSに関するアンケート結果」から引用(消費者庁の調査)
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/adjustments_index_8_170111_0003.pdf

こちらの19P
Q15 企業や商品ブランド等によるSNSの公式アカウントの投稿をきっかけとして、 その企業や商品ブランド等の商品やサービスを購入したことがありますか。(複数回答)(n=393)

とあります。n=393というのは回答数が393件あったという事です。
このデータから、28%の人がSNS経由で商品やサービスを購入したとあります。

この数字だけ見ると、結構多いな~と感じました。もっと少ないと思っていましたから。
ただ、どれ位の頻度で購入しているかのデータが無いと判断が難しいとですね。

2、「MyVoice」のアンケートモニターから引用(マイボイスコム株式会社の調査)
http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/15617/

Q商品・サービス購入・利用時に重視する情報源
〔あなたは、商品・サービスを購入・利用する際に、どのような情報源を重視しますか(複数回答可)〕

SNS(mixi、facebookなど):6.4%
twitter:3.8%

twitterが分かれていますが、単純に合計しても10%程度です。
※本当は複数回答なのでSNSを回答した人とtwitterを回答した人が被っている人を引かないといけませんが、それでも6.4~10.2%の間なのでそんなに誤差は無いでしょう。

1番目のデータと2番目のデータ結果は随分印象が違いますね。

それぞれよく見てみましょう。

1番目は商品やサービスを購入した事があるか?なのでライブのチケット、旅行、ホテル、電子書籍、アプリ、商品など様々な商品やサービスを過去に一度でも購入したことがあればイエスが積み上がるので、その結果数は多くなるでしょうね。
ちなみにこのアンケートで購入した事が無いは58.4%と購入した事があるの倍近い数字でした。
積み上げなのに、購入した事がない人の半分というのは少ないと感じました。

2番目のデータですが、こちらも複数回答可です。1番目は殆ど100%(108.4%)でしたが、こちらは473.5%となり平均で1人5個近く回答した事になります。
という事は10%と言っても、それほど重要視されていないという事ですね。
順位も21位と24位なので、それほど影響力があるようにも思えません。

 

 

消費行動ごとに分析してみると色々見えてきた。

アンケートから確実に分かったことはSNS経由で商品やサービスが売れるという事でした。
じゃあ、売れる商品、サービス、売れない商品、サービスに違いってあるか考えてみますが一つだけ条件を付けます。

条件:新規購入

それでは、消費行動ごとに分析してみます。
人が商品やサービスを購入する際、具体的に欲しい商品が決まっている時(ウォンツ)と具体的には決まっていないが喉が乾いた、リラックスしたいといった欲求だけがある時(ニーズ)があります。
更にウォンツ、ニーズそれぞれ型番商品(同じものが他でも売っている)かオリジナルなのかと分ける事ができます。

1、ウォンツ/型番
2、ウォンツ/オリジナル
3、ニーズ/型番
4、ニーズ/オリジナル

それぞれ消費行動が違うので、それぞれでSNSとの相性を考えてみます。

ウォンツ/型番
どこにでも売っている商品なので購入の決め手は価格が大きく、その次にサービス(配送スピードやアフターサービス)になります。
SNSで欲しい商品(もしくは同じカテゴリー)のセール広告をたまたまSNSで見れば購入に繋がる可能性はありそうですね。
とは言え、最終的には価格ドットコムやAmazon、楽天といったところで価格比較されそうですね。

ウォンツ/オリジナル
オリジナル商品だけど、指名買いという事はブランド力があったり、すでにそこのお客さんか知り合いからの紹介といった事が考えられます。
この場合もウォンツで欲しい商品が決まっているので、探す場所はネットショップであろうが実店舗であろうが分かっているはずです。
SNSで宣伝しなくても良さそうですね。

ニーズ/型番
ニーズというのは具体的に欲しい商品がまだ決まっていない状況なので、例えばカメラが欲しいけど、コンパクトなのかミラーレスなのか一眼なのかも決めていない人です。
こういう人は、本当に欲しい商品、サービスが何かを導いてあげる必要があります。実店舗で言うと接客にあたります。

例えばカメラだとすると

どういう場面でカメラを使いますか?
画質にこだわりますか?
操作は簡単な方が良いですか?
予算はいくらくらいですか?

といった接客が必要です。
ウェブサイトで言うとコンテンツやガイドと言われるものです。

SNSで宣伝する場合、コンテンツやガイドに誘導するのは効果がありそうですね。
「カメラ選びでもう悩まない!」というような宣伝文句がSNSで流れると、カメラが欲しいけど具体的に何が欲しいか決まっていない人は誘導できそうです。
ですが、型番なので、最終的には価格ドットコムやAmazon、楽天で価格比較される可能性は高いです。

ニーズ/オリジナル
オリジナル商品だけどニーズという事は、商品やブランドの存在すら知られておらず、当然価値やブランドも伝わっていません。
こういう商品やサービスの場合、まずは良く知ってもらう事。そして競合と比較された時に選んで貰う理由が必要です。
健康食品とかでいわゆるランディングページと称して長々と商品の説明をしているのは、これにあたりますね。

こういった商品は選ばれる理由が明確であれば、少ない誘導でも確実に買ってもらえますが、あまり差別化出来ていない場合はとにかく露出を増やして販売している傾向が強いです。
この場合、もっと効率の良い媒体(メディア)で宣伝する方が良さそうです。

4つの消費行動のモデルで一番SNSとの相性が良さそうですが、数を求める場合は効率が悪そうです。
相性が良さそうと言っても、選ばれる理由がなければ、誘導するのは非常に難しいですし、キチンと価値が伝わるような情報コンテンツを用意しておかなければいけません。

 

 

やっぱりSNSから商品、サービスをいきなり売るのは難しい

4つの消費行動のモデルを分析してみましたが、どれも難しいという事が分かりました。
唯一可能性がある、ニーズ/オリジナル型の場合もキチンとした情報コンテンツと選ばれる理由がなければ効果が期待出来ません。
逆に情報コンテンツと選ばれる理由があれば効果があるという事になりますが、ここまで来るとSNSで特別宣伝しなくても自然検索で人が集まってきそうです。

選ばれる理由があると言うことは、他と違いがあるわけなので、商品やサービスを購入したユーザーがSNSで宣伝してくれるでしょう。
むしろ考えるのはこのタイミングで宣伝しやすいようにする仕掛けやサービスの方が重要ですね。

コンサルという職業柄、戦略立案から顧客を絞り込み、その顧客の消費行動をカスタマージャーニーで分析する事がよくあるのですが、殆どの場合が購入後のタイミングでSNSを活用するというストーリーになります。

 

 

結局やった方がいいのか?

SNSから集客する前にやっておくべきことは沢山あります。
特に選ばれる理由とコンテンツが殆どの場合出来ていません。SNSに時間とお金を投資するなら、戦略を見直し、コンテンツにお金を投資する事をお勧めします。