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デザインの本当の意味を考える。

戦略
[ 2015年12月25日 投稿者:米田 浩二 ]

先日、ismのネットショップコースの「戦略的サイト設計」を受講しました。

ismとは「戦略とマーケティングを一気通貫して学べる会員制のコンサルティングプログラムです。」興味を持った方は下記サイトを御覧ください。
http://www.internet-strategy-marketing.org/

ネットショップコースはismの中でも基礎コースとされていて、3年連続の受講になりますが、毎年内容がグレードアップしており、毎回新しい気付きがあります。

その中でデザイン、特にUXデザインについて触れられており、自分がデザインについて感じていたモヤモヤが非常にスッキリしましたので、今日はデザインについて考えてみます。

 

うちのサイトのデザインをどう思いますか?

仕事柄、こういった事をよく聞かれます。

でも、お答え出来るのは「見た目だけでは、ちょっと判断出来ないんです。すいません。」

非常にそっけないかもしれませんが、殆どのWEBサイトは見た目のビジュアルをWEBマスターや経営者の好みにするのが目的では無いはずで、本当の目的があるはずです。

目的も解決する手段も分からなければ、その結果出来上がった表面上の見た目やビジュアルの良し悪しを意見するのはエスパーでも無ければ難しいんです。

 

質問をされている方は、プロだからサイトを見ただけで良し悪しが分かるんじゃないか?と思っておられる方が多いです。

誤解を恐れずに言うと、プロの立場から言うと見た目だけでは分からないというのが本音です。

 

どうしてこんなスレ違いが起こってしまうのか?

いろんな人の話を聞いたりすると、「デザイン」という言葉の意味が人により大きく違う事がわかってきました。

実際、初めて接するクライアントの多くは、デザインの事を表面上な見た目やビジュアルを自分の好みに整える事と考えてる事が多いです。

 

Designの日本語訳を調べてみた。

「デザイン」という言葉は当たり前ですが、日本語ではなく英語です。ですから英語の意味から調べてみます。

Google翻訳で翻訳してみると
designの訳
なんと「設計」と訳されました。

Google翻訳のページでキチンと翻訳すると、以下の結果になりました。

  1. 設計、図案
  2. デザイン、意匠、模様、絵柄
  3. 図柄
  4. 意図、作意
  5. 立案、デシネ(素描すること。線によって描くこと。デッサンすること。)
  6. 下絵
  7. 志向(意識が一定の対象に向かうこと。考えや気持ちがある方向を目指すこと。指向。)
  8. 企み
  9. 挙(行動。振る舞い。くわだて。)

Designという言葉の意味をここでは10個並べましたが、本当はもう少しありました。気になる人はGoogle翻訳で「Design」と入れてみてください。

この10個の訳を仕分けすると、表面上の見た目やビジュアルという意味と、設計や意図、立案、企みという大きく分けて2つのグループに分かれそうですね。

 

そういえば、アメリカのDesignを教える学校では「Designとartは違う、artは自己表現でDesignは問題解決」と教えると書いてある記事を見たことがあります。

また、appleの創設者でiPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズは「デザインとは「どう見えるか」ではなく、「どう機能するか」の問題である。」と言う格言を残しています。

 

どうやら「Design」という言葉は見た目のビジュアルだけでなく、課題を解決するためにどう設計するのか、どう機能させるのかという意味が含まれるようです。

 

designは見た目だけでは分からない

設計と訳された意味が分かってきました。ただ、表面上の言葉の意味だけでは勘違いが起こりそうな気がします。

この記事を書いている時に偶然発見したブログにこんな事が書かれていました。

「appleTVのリモコンと普通のテレビのリモコンを比べて見た目のデザインが悪い、UX(ユーザーエクスペリエンス)が悪い」

リモコン
※画像はAppleのサイト、SHARPのサイトから引用致しました。

確かにパット見た感じでは、appleTVのリモコンはボタンは少ないしシンプルです。

一方テレビのリモコンはボタンが溢れ、分かりにくそうです。

さすがapple!良い感じのデザイン!それに比べて、日本の電気メーカーのリモコンはデザインのデの字も知らないのか?

これからの時代はUXが大事なんだよ!と偉そうに言ってしまいそうです。

 

実はここが重要なポイントで、表面上で判断してしまうとdesignが持つ設計という意味やジョブズの言う「どう機能するか?」という事と結びつかなくなります。

 

appleTVのリモコンがシンプルな理由

appleTVのリモコンがシンプルなのには理由があります。

それは、リンプルにするように全体を設計させているからなんです。ジョブズ風に言うと機能させているからなんです。

その事を触れないと、見た目がシンプルだから良くて、見た目がごちゃごちゃしているから悪いという表面的な評価になってしまいます。

 

どういう事か説明します。

appleTVのリモコンは画面に表示されるインターフェース部分の設計がシンプルなリモコンで対応出来るように作られているんです。

iPhoneやiPadの操作が指のタップ、スワイプ、ホームボタンの3種類で操作出来るのと同じように、少ないボタンで操作出来るようにデザイン、設計されているんです。

一方普通のテレビのリモコンは、テレビの画面がそういう風に設計されていないので、ボタンを沢山配置せざる得なくなっています。

機能が増えれば増えるほど、ボタンも増えるというジレンマに陥っています。

 

なぜ、こんな差が出来たのか?

それは、見た目がオシャレとか表面上のデザインに気を使っているからといった問題ではなく、全体を見通して最適にデザイン、設計しているかしていないかが原因です。

全体をデザイン、設計して初めてユーザーの体験がとても心地いいものになる、つまりUXをデザインするという事です。

 

デザインの本当に大事な部分は「表面上のデザイン」ではなく、ユーザーの抱える課題をどう解決させるかです。ジョブズ風に言うと、どう機能させるかです。

 

WEBサイトをデザインするとは?

ここまでで何となくデザインについて言いたいことが何となくでも伝わったと思います。

 

ではWEBサイトを設計するという事はどうデザインをするか説明していきます。

 

サイトの設計をするとは、誰のどのような課題をどのようなタイミングでどのように解決するのか?といった事を明確にしなければなりません。つまり戦略です。

次に、その戦略で絞りこまれたユーザーの求めている価値や課題を定義します。

さらにそこから、必要なコンテンツと最適なサイトの構造を設計します。

その後は構造にもとづいてレイアウト、ラフデザインを作成します。

 

先ほどのリモコンの話に戻ると、この辺りでリモコンのボタンの数が決まる訳ではありません。

実は戦略の時点で、既にリモコンの数は決まっていて、それをどう配置するか、どうレイアウトするかをここで決めます。

戦略から関わらないと、この時点でボタンが20個とか30個になったり、無理やり5個位にしたために非常に使いにくいサイトになります。

 

戦略から全体をデザインしているので、appleTVの様に表面上のデザインを出来るだけシンプルにすることも可能と言えます。

 

そうしてやっと表面上のデザインで見た目上のデザイン(見やすさや分かりやすさ、使いやすさが)をします。

  1. まとめると
  2. 戦略
  3. 要件定義
  4. 構造設計
  5. ラフデザイン
  6. 表層デザイン

となり、1の戦略から係る事でより精度の高いデザインが出来ます。


何十個もあるテレビのリモコンをappleTVのリモコンの様に劇的に減らして使いやすくするには戦略から関わらないと難しいという事です。

いやいや、そんな事無いよ。2~5だけでも出来るよ!と言われるかもしれませんが、クライアントから突然、このボタンをどっかに追加してよと言われたらどうします?

戦略から関わると、想定しているユーザーが求めているのは次のタイミングです。とか、次のステップでボタンは用意しているのでここには必要ありませんと、きちんと説明する事ができます。

またクライアントも戦略を理解しているので、納得できます。

 

要件定義からだと、このタイミングでこのボタンを設置するのは、デザイン上難しいです。とか折角シンプルにしたのに分かりにくくなります。といった表面上のデザインのお話になりませんか?

 

クライアントから「いやこれは絶対に必要だからなんとかして!これが無いと売上が下がる!」と言われてしまうと要件定義からやり直さなければいけないですよね?

 

WEBサイトのデザインを表面上だけ見ても判断出来ない事が分かって貰えたと思います。

 

もし、この記事を読んだ方の中で、WEBサイトの作成を制作会社に依頼される際は、是非、表面上のデザインだけでなく全体を設計する視点を持った制作会社を選ばれる事をお勧めします。

 

Merry Christmas!素敵なクリスマスをお過ごしください。